「たわけ」と「たわけない話」と
仙台 相原 孝
過日 根津美術館の副館長の話を聞いたのでした。
彼女のいうのに美術館改築に当たっての苦労と工夫の話だったのですが、初代根津嘉一郎氏の美術品公開についての信念のこともありました。彼が渡米した折、彼の地では美術品は自分のために秘蔵するのではなく「公のため、後世のために」と考えていることを知ったのです。感銘を受けた嘉一郎は収集した美術品を「衆と共に楽しむ」ことをモット―とすることとしたというのです。その遺志のもと昭和16年根津美術館が開館されたのです。
考えさせられる話でした。ところで農家の財産分与で「田分け」は「たわけ」というのですが、「衆と共に楽しむ」とは「たわけな話」ではないなと、話の途中で頭の中は別な論点の話に脱線してしまったのでした。
とにかく皆様方も、未だの方には一度ご来館頂きたいということです。
根津美術館
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1 〓 03-3400-2536
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